1.漫才とコントの違いについて
日本のお笑いと言えば、昔から今に至るまでお茶の間に笑いを吹きこみ楽しませてきた一種の文化と言っても過言ではないでしょう。
非常に多くの日本人から愛されているお笑いには大きく分けて二つのスタイルがあると言われています。
その一つが漫才であり、もう一つがコントです。
とは言っても、この両方のスタイルにどのような違いがあるかについて、はっきりと理解している人は意外に少ないと言えるかもしれません。
ではここで、日本で非常に長い期間にわたって愛されてきたお笑いの二つのスタイル、漫才とコントにはどんな違いがあるかについて、幾つか具体的な点を取り上げてみたいと思います。
・漫才
まず漫才に関して言えば、基本的に二人の芸人が一組になって披露される話芸であると言うことができるでしょう。
テレビなどで実際に演じている様子を見たことがある人なら容易に想像できる点だと思われますが、二人の芸人のうち一人がボケ役を演じ、もう一人がツッコミ役を演じることになっています。
そのようなボケ役とツッコミ役が行なう滑稽な掛け合いによって、見ている観客を笑わせるのが大きな特徴となっています。
漫才の場合、基本的には本人の話術や話の内容そのもので観客を笑わせるものとなるため、服装もそれぞれの芸人によって異なるのが特徴と言えるでしょう。
中には、スーツを着て話芸を披露する芸人もいれば、私服を着ている人もおり、服装に関する決まりは特にないと言われています。
ちなみに、二人ではなく一人の芸人で行なう場合は、漫談と呼ばれるのが一般的であることを覚えておきましょう。
・コント
それに対して、コントは観客を笑わせることを目的として行なう寸劇、つまり短いお芝居のことを指しています。
二人の芸人の掛け合いによって笑わせる漫才とは異なり、コントの場合、色々な役やキャラクターが予め設定されているのが特徴と言えます。
そして、ネタを通してそれらの役やキャラクターを演じる中で観客を笑わせることになります。
服装に関しても、演じる役やキャラクターに応じた服装があるため、芸人はそのような服装で演じます。
それには、単に着用する服装だけでなく、メイクや用いる小道具なども含まれています。
場合によっては、芸人の話術以外にも音響や照明などを十分駆使して、その人の動きや外見などからも笑いをとることが行なわれていると言ってよいでしょう。
2.漫才とコントのオチの違いについて
コントの場合、一緒に演じる人数に関しても特に決まりがあるわけではなく、一人から複数人まで何人でも可能であるという点も大きな特徴となっています。
それでも基本的には、二人から三人程度のグループで行なわれる場合が多いと言われています。
仮に大人数の芸人で演じ、それも時間が長く規模も大きいといった場合には、寸劇ではなく喜劇に分類されることがあります。
加えて日本の漫才は、ツッコミ役が発する「もうええわ」といった決め台詞で終わるのが一般的であると言われているのに対して、コントの場合はオチが暗転などで終わることが多いという点でも大きな違いがあると言えます。
3.漫才とコントの線引きが曖昧になってきている面もある?
もちろんこれら両者にははっきりとした違いがあり、それら独特のスタイルに強いこだわりを持って演じる芸人やグループが多い一方で、最近では両者のうちどちらをも行なうグループも増えてきているというのが現状となっているのです。
そのため、最近は昔と比べて日本のお笑いの明確なジャンル分けが段々難しくなっているとも言われています。
しかし、相変わらずプロ意識と誇りを強く持っている芸人は非常に多く存在しています。
そのため、観客としてそれらのお笑いを楽しむ側も、両者の違いについてはっきり理解した上で楽しむのは大変よいことだと思います。